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アーユルヴェーダ基礎[体質論:プラクリティについて]

プラクリティとは、”自然””本質”を意味します。アーユルヴェーダでは人それぞれ異なる割合のドーシャを生まれてくるとし、生まれ持っての個性(体質)のことをジャンマ・プラクリティ(以下プラクリティ)と言います。プラクリティにおけるドーシャの優位性は病的なものではありません。あくまでも性質(個性)であり、その人らしさを表すものです。

プラクリティを知ることの重要性

プラクリティを知ることは以下3つのポイントにおいて重要になります。

1. 体調や不調の傾向を知る 
  例 ピッタ体質の人が灼熱感や胃の問題に悩まされやすい。

2. 自分にあった生活習慣を選択する際の指標 
  例 温かいお湯に浸かることは、ヴァータ体質、カパ体質、ヴァータ・カパ体質の人に適している。
  ピッタ体質の人は長湯に向いていない。

3. 医師によるアーユルヴェーダ治療計画に必要
  例:ヴァータ体質の人の関節炎は治療が難しい。

プラクリティの決定要因

  1. シュクラ・ショーニタ:遺伝的(精子と卵子)要因
  2. カーラ・ガルバーシャヤ:受胎時期(母親の年齢、季節など)
  3. マートル・アーハーラ・ヴィハーラ:母親の食習慣要因
  4. マハーブータ・ヴィカーラ:妊娠中の5大元素要因
  5. ジャーティ・プラシャクタ:人種的要因 – 肌の色、体の構造など
  6. クラ・プラシャクタ: 家系的要因 – 遺伝により家系に見られる特質
  7. ドーシャ・アヌパーティニー:自然なドーシャ悪化要因(ドーシャによりプラクリティが変化したように見える)
  8. ヴァーヨー・アヌパーティニー:年齢要因(年齢とともにプラクリティが変化したように見える)

プラクリティの分類

プラクリティは大きく2分類されます。

  1. ドーシャジャ・プラクリティ:ヴァータ、ピッタ、カパのバランスにより決定
  2. マナーシカ・プラクリティ:サットヴァ、ラジャス、タマスによる精神的気質を表す

通常、1.ドーシャジャ・プラクリティー分析の際に精神的傾向も合わせて行います。2.マナーシカ・プラクリティーに注目する場合は精神不調に対処が必要になった時に限られています。

ドーシャジャ・プラクリティの分類

ドーシャジャ・プラクリティは、デーハ・プラクリティ、シャリーリカ・プラクリティ(いずれも身体の本質という意味)とも言いかえられます。

ドーシャ由来のプラクリティは7つに分類されます。

  1. ヴァータジャ:ヴァータ優位
  2. ピッタジャ:ピッタ優位
  3. カパジャ:カパ優位
  4. ヴァータピッタジャ:ヴァータピッタ優位
  5. ヴァータカパジャ:ヴァータカパ優位
  6. ピッタカパジャ:ピッタカパ優位
  7. ヴァータピッタカパジャ:トリドーシャバランス

  • 単一ドーシャが優位(エーカドーシャジャ)
    1.ヴァータジャ:ヒーナ(劣性) 2.ピッタジャ:マッディヤマ(良性)3.カパジャ:ウッタマ(優性)
    単一ドーシャが優位な人はドーシャの影響を受けやすく病気をしやすいとされます。

  • 2種類のドーシャが優勢(ドヴァンドヴァジャ)4~6
    単一ドーシャ優位の人よりは病気をしにくいのですが、異なる2種類の性質が組み合わせによる複雑化が起きるためあまり好ましくない(ニンディヤ)とされます。ほとんどの人がこの分類に属します。

  • 3つのドーシャがバランス(サマドーシャ)7
    非常に稀で病気をしにくい最優秀なプラクリティー(シュレーシュタ)とされます。

ドーシャ由来の特徴

ヴァータ – 痩せている、いつも動いている、肌が荒れる、静脈が目立つ、関節が弱い、寒さを感じる、覚えが早いが忘れやすいなど

ピッタ – 赤み、怒りっぽい、感情的、汗っかき、体格が中程度、空腹感が強いなど

カパ – 体重が重い、歩くのが遅い、決断が遅い、記憶力が良い、関節が固い、あまり怒らないなど

プラクリティと不調

ヴァータプラクリティの人は、生まれながらにしてヴァータが優位です。つまり、関節炎、神経障害、身体痛、腹部膨満感、耳鳴り、震え、皮膚の乾燥など、ヴァータ由来の不調が起きやすいと考えます。また、より顕著なヴァータ症状を示すためケアが非常に困難になります。

ピッタプラクリティの人は、常に灼熱感、胃炎、胃酸過多、過剰発汗、体温上昇、赤い小水疱、黄疸、口内炎、出血障害、月経困難症などの症状が出やすくなります。

カパプラクリティの人は、食欲不振、眠気、怠惰、消化不良、肥満、痰が喉に付着する、などが起こりやすくなります。

単一ドーシャ優勢の人は、それぞれのドーシャの軽い原因により大きな不調につながるとされます。

マナーシカ・プラクリティの分類

心の特徴からサットヴァ、ラジャス、タマスという性質に分類することができます。

サットヴァ:純粋な、識別、知識、光 
ラジャス : 活動的、感情、思考   
タマス :不活動的、感情を抑える、無知

サットヴァ、ラジャス、タマスと五大元素の関係

空:サットヴァ優勢
風:ラジャス優勢
火:サットヴァ、ラジャス優勢
水:タマス優勢
地:タマス優勢

サットヴァ、ラジャス、タマスは、それぞれ以下のように分類されます。

サットヴァ7型

  1. ブラーンマ: 純粋、真実の愛、セルフコントロール、識別能力、物質的・スピリチュアルの知識、感情・怒り・欲望などエゴにふりまわされない、無知・嫉妬・落胆、不寛容と無縁。あらゆるものにたいし公平な態度

  2. アルシャ:聖なるおこない、学び、神聖なものへの献身。気遣いのある性質。プライド、エゴ、依存、嫌悪、無知、貪欲さ、怒りがなく、完璧な知性と雄弁、理解力と記憶力がある

  3. アニドラ(インドラ): リーダーシップ、権威あるスピーチ、聖なる行い、勇敢さ、強さ、堂々とした態度。行為から自由であり、視野が広く、高潔な行いに忠実、富、望みを満足させている

  4. ヤミャ(ヤマ):行いに対する客観性、正しい行いをおこなう、不可侵性(神聖さ)、記憶力とリーダーシップにすぐれている。依存、ねたみ、嫌悪、無知などから解放されている

  5. ヴァルナ(水の神):勇敢さ、忍耐力がある、ピュア、不純なものを嫌う、宗教的儀式を守る、水に関係するスポーツを愛する、怒りをあらわしたり正しくない行いを嫌う

  6. カウヴェーラ(クヴェーラ):占有地、豪華さ(贅沢さ)とお手伝いさん(従える人)をもっている。常に富と満足、そして純潔であり、リクリエーションの喜びがある

  7. ガンダルヴァ:踊り、歌、音楽の才能に恵まれ賞賛されている。詩的、歴史的な語り口で、慈しみをもつ。女性的で情熱的 

ラジャス6型

  1.  アスラ:勇敢で、無慈悲、ねたみ、リーダーシップ、隠し事をする。自己中心的で目立ちたがり、冷酷、耽溺

  2.  ラクシャサ(アスラ):不寛容、常に怒っている、弱みを攻撃する、無慈悲、貪欲な習慣、ノンベジを食する、眠すぎる、耽溺、妬み傾向

  3. パイシャチャ(ピシャチャ·幽霊):貪欲な習慣、女性好き、孤独を好む、不潔な習慣、清潔に無縁、卑怯で異常な(恐ろしい)性質、異常な食事や生活習慣

  4. シャルパ(蛇):怒っているときに勇敢になり、怒っていないときは卑怯になる。 鋭い反応、怠けすぎ、ぞっとするような恐ろしい性質、生活習慣、食習慣

  5. プライタ(プレタ·幽霊):食への過剰な欲求、過剰な痛みを望む性質、識別力のない行動、過剰な貪欲さ、怠惰

  6. シャクナ(シャクニ·鳥):情熱に依存し食べ物を過剰にとる。安定感がない。無慈悲で獲得や所有に対する願望がない

タマス3型

  1.  パーシャーヴァ(動物):命令的、知性にかける、嫌悪的な行為、食習慣をもつ。過剰に性行為や睡眠に耽溺

  2.  マッツヤ(魚):臆病、卑怯、食べ物への興味がない。常に情熱的で怒りっぽい。活動が一定で水を求める

  3.  ヴァナスパッテャ(植物):怠惰、耽溺、すべての知性的機能の欠如

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