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2017年春 南インド訪問記④ インドの食卓から見えたこと

コーチンのアンマに野草のことやお料理のことを学んでいて「はっ」と気付きました。
アンマは、お昼ご飯と夜ご飯を作ってくれたのですが(朝はホテルでついていたので。。)、料理クラスが先にあるのではなく、家族の食卓があった上で、そこで作られているお料理を全て私に見せてくださり、教えてくださっていました。
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お料理クラスというと「ノウハウ」や「レシピ」ありきになりがちですが、アンマはご自身と家族の健康を守るために何をしているのかを伝えてくださいました。

そしてアンマの作るお料理をいつもと同じように配膳し食事を楽しんでいるご家族。

同じ食卓でともに食事をさせていただいていた時
こういうことか、、とシミジミ理解しました。

寝食を共にし一人一人役割を分担し支え合っているのが家族。
家族とはいえ、違いは当然あります。
アンマのお家でも、甘いもの好きのお父さん、生まれてから一度もノンベジを口にしたことのない息子さん、日本から嫁いできたお嫁さん。
多様な背景や嗜好をもつ家族に配慮した健康的なお料理を次々に食卓に並べるアンマ。

その食卓で家族が皆一つになる。

食材やハーブの効能ももちろんだけど、愛情のこもった手料理ほど人を癒すものはないのです。そんなお料理を提供できる「お母さん」(妻)の果たす役割の大きさを実感しました。
また、お母さんが尊敬対象にある、というだけではなく、家族一人一人が適切に役割を果たすことで、家族としての機能がうまくいくし、相互に尊敬の念をもって接することの重要性も理解できました。

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家族という小さな社会が健全に機能していることが、健全な社会を作ることは間違いありません。

お料理を教えていただきに来たつもりが、アンマとご家族皆さんから生きていく上でとっても大切なことを学ばせていただきました。

最終日の夜に作ってくださったお粥。

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ダシャムーラ(10種類の薬草の根)に10種類ほどの野草の葉っぱの汁で薬用米(ナヴァラライス)炊き上げます。薬草の煎じ時間、お米の炊き込みで半日はかかっていたと思います。

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これを、ケララではモンスーンの最中(7月か8月)1週間ほど毎日食べるそう。(全家庭ではないと思いますが。。)
モンスーンのときは消化力も弱り病気になりやすいので、薬効と栄養のあるこのお粥で組織を滋養するのだそうです(作り方も理論もアーユルヴェーダど真ん中)

このお粥を食べたら、できるだけ活動をせずに休んで薬効と栄養を身体に吸収させる方がいいから、と夕食に出してくださいました。

「身体にはいいけど美味しくはないよ」というご家族からの前評判がありましたが、アーユルヴェーダ製剤に慣れているせいか?私には、とても美味しい薬用粥でした❤️

アシュラムでの食卓、家庭内での食卓、違う場所でちがうコンセプトで作られているお料理でしたが、そこから日本人である私がこれからどのように食と向き合い伝えていくのか、、かなり明確になりました。
その内容が帰国直後の食事学クラスにしっかりと反映できたと思います。

京都食事学講座の様子

1週間という短い期間でしたが、各訪問先での温かい愛情のこもった歓迎を受け、素晴らしい時間を過ごさせていただきました。
お世話になりました皆様本当にありがとうございました。

またすぐに戻ります!!

 

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