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古代料理から見えてくる質と作用の理論

気がつけば「アーユルヴェーダ料理」のクラスを開講させていただくようになり4年目。

私なんて、、、料理家じゃないし、、、

といいつつもコンスタントにご希望をいただく料理クラス。

きっかけは2013年に発刊された1冊の本から。


元々は私が自分の生活に取り入れているアーユルヴェーダの知識をお料理に落とし込み、料理レシピは料理家の方にお願いして、という企画だったのだけど、色々な事情が重なって半分くらいのレシピを私が作らなくてはいけない、ということになった、という経緯がありました。
普段計量なんてしないで作っている家庭料理を本に載せていいのか??
という心配をよそに、出版後多くの方から、アーユルヴェーダを気軽に手軽に料理に生かす方法を知りたかった!とご感想をいただくことができました。

今あらためて当時のレシピをみると、稚拙さ丸出し感が否めませんが、あの当時の私の等身大であり、だからこそ伝わるものもあったと思います。

アーユルヴェーダ料理はインド料理じゃなくても成立する

というコンセプトでクラスを続け、特に私の場合は「日本の家庭料理」に焦点をあててアーユルヴェーダを日々のお料理に取り入れる方法をお伝えしてきました。

現代の「日本の家庭料理」はかなり進化していて、家庭の味も多様。
世界中のお料理がミックスされて家庭料理になってきている。
もちろん、インド料理も。

「お料理」が何であったとしても、アーユルヴェーダのコンセプトを伝えられるので拘らなくても良いのですが、特にインド料理は人気があるので気をつけていないと、インド料理レシピを伝える、美味しいインド料理を作るためだけのクラスになってしまいます。
私はインド料理を伝えるのではなくあくまでもアーユルヴェーダを伝える立場なので目的がすり変わらないように心しています。

先月から始まった名古屋での食事学クラスは、以前家庭料理に取り入れるアーユルヴェーダというコンセプトでワークショップのクラスをしているので、今回は少し違った観点でお伝えしています。

昨日は2回目。
アグニ(消化機能)の働きについて学んでいただき、調理実習ではインドの伝統料理からスープ3種、無発酵パン・チャパティ、チャトニーを作りました。
現代のインド料理ではなくアーユルヴェーダ文献「チャラカサンヒター」を参考に、限りなく古代のレシピに近づいてアーユルヴェーダ料理ってどんなものかみてみよう、という試み。


-スパイスを使った野菜スープ
-酸味の豆スープ
-酸味のない豆煮込み
-無発酵小麦(全粒)パン
-煎り米(玄米)のザクロとスパイスで味付けした重湯
-赤米のフレークスパイス炒め
-ジンジャーチャトニー
-バターミルクサラダ

古代料理なので材料はびっくりするほどシンプル。スパイスも最低限。
究極にそぎ落としたお料理。
だからこそアーユルヴェーダにある質と作用の理論がしっかりと見えてきました。

特にスィータ(冷性)とウシュナ(熱性)への理解を深めていただけたようです

古代料理を少しだけアレンジした今回のレシピ。味的には現代日本人の舌にはどうだろうか。。と少し心配でしたが、意外に(?)大好評!!
皆さんから高評価をいただけました。

今回のレシピ作成にあたり、チャラカサンヒターだけでなく、マヌ法典も参考にしました。
マヌ法典は学生時代にも読んだことがあるのですが、いまあらためて読み直し、当時理解できなかったことが理解できました。
肉食、菜食の件に関しても、なぜアーユルヴェーダで肉食が禁止されないか?という疑問も払拭でき、薬効のある「肉のスープ」の意味が腑に落ち、それを今回座学として伝えさせていただくこともできました。

そして、大変参考になったのがこちらの本。

チャラカの食卓二千年前のインド料理

時空を超えられる伊藤先生と香取先生のご著書です。

やはりインドは魅惑に満ち、興味深くまだまだ知らないこと、知りたいことがあるな、、と思います。
暑い中講座にご参加いただきました皆様ありがとうございました!

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